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コラム

COLUMN
                 
2023.12.24
各業界の廃棄物処理

所有地にごみを埋めるのは違法になるの?ルールや罰則を解説

近年、購入した土地から「ごみ(廃棄物)が混じった土が出てきた」といういわゆる「廃棄物混じり土問題」が大きな問題となっています。以前は法整備前だったため合法だったものの、現在では厳格に整備され、所有地にごみを埋めるのは、明確に「違法」とされています。
では、なぜ違法となったのか、そのルールや罰則はどういったものなのかを、今回は「プロ目線」で詳しくご紹介いたします。

所有地にごみを埋めるのは例え「自己所有地」でも不法投棄になる!

上記でもご紹介した通り、所有地にごみを埋めるのは、例え「自己所有の土地」でも不法投棄と見なされ、法律違反となります。その根拠や注意点等について詳しくご紹介いたします。

土地は「公共性が高く」なおかつ「公衆衛生」に大きな影響を及ぼす

「自分の所有地にごみを埋めるのなら問題ないのでは?」と思われがちですが、これはれっきとした「不法投棄」となり、法律違反となります。
廃棄物処理法第16号には「何人も、みだりに(=正当な理由なく)廃棄物を捨ててはならない」と規定されています。
その理由としては、以下のようなものがあげられます。

  1. 廃棄物の排出を抑制することにより、廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理を行うこと
  2. 生活環境の保全、ならびに公衆衛生の向上を図ること

わかりやすく解説すると、廃棄物を投棄することにより、捨てた土地の土壌(土の環境)や地下水が汚染され、雨水等によって汚水が河川に流れ込むことにより、結果として生活環境に悪影響を及ぼし、公衆衛生の安全を図ることができないから、というのが大きな理由となります。

かつてあった「ミニ処分場」も禁止になっているので要注意

実は、平成9年の廃棄物処理法改正までは「設置許可の必要な最終処分場」の広さが決まっていました。
管理型で1000㎡以上、安定型で3000㎡以上です。逆手に取れば、「1000㎡未満であれば、設置許可を取っていなくても埋め立てることは合法」だったといえます。

これを、通称「ミニ処分場」と呼んでいます。許可や届出は不要だったものの、処理基準は守らなければならないことになっていましたが、許可や届出が不要であったため行政の目がどうしても行き届かず、ほとんど不法投棄同然の行為が横行する状態となってしまいました。

そこで、法令の改正を行い、現在では「どんなに小さな埋立地(最終処分場)でも必ず許可を取らなければならない」としたため「処理基準を遵守している」「整然と埋立をしている」といった状態でも、上記でご紹介した廃棄物処理法第15条の違反となり「処理施設の無許可設置」として罰せられることになっています。

所有地に不法投棄を行った際の罰則は?

不法投棄は、現在大きな社会問題となっており、罰則もより厳しいものとなっています。
罰則は以下の通りです。

※個人または法人が不法投棄を行った場合
【廃棄物処理法第25条及び32条】
個人の場合は5年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方
法人の場合は3億円以下の罰金
※不法投棄をする前提で収集・運搬を行った場合
【廃棄物処理法第26条】
3年以下の懲役刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方

 
つまり、不法投棄をすると知りながら手伝った場合においても罪に問われる可能性があり、収集・運搬業者の選定も、依頼主側にとって重要な要素となります。

国が定める「適切な処分」を行う業者を見分ける!その方法は?

ごみは必ず「適切な処分」が求められます。ごみが大量だった場合、業者に依頼することもあるでしょう。しかし、その依頼しようとした業者が違法業者である可能性は否定できません。
そこで、ここからは、国が定める「適切な処分」を行う業者を見分けるコツやポイントについて、詳しくご紹介いたします。

「適正な処理料金」を設定しているか

基本的に、廃棄物の処理には「費用」がかかります。処理業者が適切な料金設定をしていない場合には、不法投棄または不適正な処理が行われる可能性が高くなるので、注意が必要です。

この「適正な処理料金」とは、「一般的に行われている方法で処理するために、必要とされる料金設定を行っているか」を指します。著しく低い、または無料といった業者は依頼を見合わせることをお勧めいたします。

適正な料金がいくらかは、廃棄物の種類や量、処理方法や地域等によって異なりますが、優良な廃棄物処理業者は料金の提示方法を公表しています。不明瞭な業者、敢えて非公開にしている業者には委託しないのが無難といえるでしょう。

排出事業者(ごみを出した側)が「最後まで適正な処理が行われたか」確認できるか

排出事業者は「発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われているか」を随時チェックしていかなくてはなりません。(廃棄物処理法第12条)

優良な処理業者であれば、回収した廃棄物をどのように処理しているか、ホームページで公表していることがほとんどです。こちらを確認することにより、廃棄物の処理が適正に行われているかを確認できます。

他にも、委託した処理業者の廃棄物保管状況や実際の処理工程等について、業者と綿密にコミュニケーションを取りながらできる限り実地確認を行うこと、公開されている情報について、不明な点や疑問点があれば処理業者に質問が可能である等、法に基づき適正な処理がされているかをできるだけ現実的に確認することが重要となります。

処理状況の確認を行っていない業者に関しては、法律違反を行っている可能性が出てきますので、十分注意し、できる限り依頼を避けましょう。

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